“ふしぎなあの子”は神出鬼没で、たぬきが出てきた後に現れたり、出てきたと思ったらパッと消えてしまいます。
この町に引っ越してきた、幼稚園に通う“あいちゃん”の前にだけ現れます。
“あいちゃん”が“たぬき”のことや“あの子”のことを大人に説明しようにも、うまく伝えられないもどかしい心情や、本当に会ったのかさえもあやふやに思えてくるほどの不確かな“やまひこ”の存在がうまく描かれています。
自分の幼かった頃を思い出して“あいちゃん”に感情移入しながら読めました。
ページごとに挿絵がありますから、子供もお話しに入りやすいのではないでしょうか。
章ごとにお話しの月が変わるので、一日一章づつ読み聞かせするのにとても切りが良いです。
我が家では子供の方から「続きはまた明日ね」と言ってくれます。
不思議な存在を感じることで、実際の木や自然にも関心をもったりや、愛でる気持ちにつながってくれるといいなぁと思います。