昭和59年に出版された本です。
現代と比べてのどかな気もしますが、お父さんはやっぱりいそがしかったのです。
お父さんが出勤するところから孵ってくるまでの一日を絵で追いかけているのですが、極めで広角的に描いています。
多くの群集の中のお父さん、お父さんのいるビルや、お父さんのいる場所の周りも大きく描いているので、「おとうさんをさがせ」状態。
これだけの人にもまれてお父さんは頑張っているのだぞ。
なぜか同じ時間に食事をしている人、遊んでいる人、買い物をしている人がいたって、お父さんは頑張っているのだぞ。
どうしても自分の目線で身構えてしまいそうです。
懐かしくもあり、寂しくもあり、この絵本が出た頃には絵本を読んでもらっていた世代が、今はお父さんになっているのでしょう。
言葉がないだけに、妙に気持ちが深堀りされてしまいました。
お父さん頑張れ。
ほんとはそう言ってもらいたい絵本です。