絵本というのは本当に世界が広い。
よしながこうたくさんのこの絵本を見つけた時は、思わず「なんじゃこりゃ」とつぶやいて、それで手にとってしまうという、惹きつけの魔力にかかったような気分です。
なんともいえないシュールな絵の魔力(あるいは魅力)。
きっと子どもたちが夢中になってしまうにちがいない、そんな力を感じました。
物語はというと、ある日1年2組の教室に金髪のサムスン君が転校してきます。
サムスン君、少し照れながらも「オハヨ、ゴザマース」と日本語であいさつをすると、たちまちクラスの人気者に。
そんなサムスン君に嫉妬するのが、せいじ君。どうしてかって? だって、せいじ君の大好きなまどかちゃんまでサムスン君に夢中なんですもの。
でも、どうしてサムスン君は人気者になったのだろう。
せいじ君たち、やんちゃな仲間はうんうん考えて、たどりついた答えがサムスン君のあいさつ。
あいつみたいにしっかりあいさつしようぜ。
よし、今日からせいじ君は「あいさつ団長」だ!!
でも、本当にこれで解決するのかな。
とにかくよしながこうたくさんの絵がとんでもないから、出て来る子どもたちも先生も、キャラが立ちまくっています。
こんなクラスに転校したら、サムスン君でなくても、生き残るのが大変でしょうね。
それでいて、ひとたび仲良くなれば、結束が固い、そんなクラスのような気がします。