イスラエルとパレスチナのガザでの戦闘の映像を見るたびに
人間とはなんとも酷いことをするものだと暗澹となります。
受けた恨みをただ耐えることなどできないのかしれません。
奪われた、奪い返す、また奪われる、また奪い返す・・・。
だとしたら、戦争が収まることはないのではないか。
今回中東で起こった戦争の様相があまりに酷いこともあって、
ロシアによるウクライナ侵攻の関心が薄まっていくことも懸念しないといけません。
無関心ほど、攻めていくものにとって好都合なことはありません。
ロシアがウクライナに侵攻を始めたのは2022年2月。
間もなく2年になります。
2年というのがどれだけの時間なのか、
あの朝砲撃の音で目を覚ました人がペンをとり、
イラストレーターが絵を描き、一冊の絵本に仕上げる。
その絵本が日本に渡って、翻訳者によって日本語に訳され、
日本の読者に届く。
一冊の絵本が生まれるのがどれだけ大変なことか、
それが2年という時間なのだと思います。
『いえ あるひせんそうがはじまった』は、
そうして生まれた絵本です。
カテリナ・ティホゾーラという人が文を書き、
オレクサンドル・プローダンという人が絵を描き、
すぎもとえみさんが訳しています。
爆撃で家を失った人たちがどんな思いで助けを求めて生きていくのか、
それはウクライナだけでなくガザ地区で生活をする人たちもそうだし、
世界中にはきっとたくさんの家を失った人たちがいることでしょう。
その人たちのことに心を寄せること、
何もできないのではなく、関心をもち続けることも大事だと
この絵本は教えてくれます。