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ポプラポケット文庫 おかあさんの木」 パパの声

ポプラポケット文庫 おかあさんの木 作:大川 悦生
絵:箕田源二郎
出版社:ポプラ社
税込価格:\627
発行日:2005年10月
ISBN:9784591088784
評価スコア 4.6
評価ランキング 4,501
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  • 泥臭い戦争民話

    戦争に関わる8編の話が収録されているのですが、なんとも生々しく響いて来るのです。
    民話を多く手掛ける大川さんの戦争民話。
    救いようのない話で、息苦しくもあるのですがそれぞれに心に響く話です。
    標題になっている「おかあさんの木」は、戦争に出征する7人の息子のために植えた7本のキリの木の話。
    こどもを思う母親の気持ちが痛いくらいわかるのですが、お国のために差し出した命とも思うのです。
    一人、また一人と息子の戦死が伝えられます。
    お母さんのキリに向かい話しかける切なさは心苦しいばかりです。
    それぞれの作品が重苦しく、描かれ方は確かに民話です。
    一気に読むより、一作一作立ち止まって味わうのが良いと思います。
    それぞれに絵本だったら、もっとつらかったように思います。

    収録作品
    ・ おかあさんの木
    ・ 火の中の声(空襲の話)
    ・ ぞうとにんげん(上野動物園の3頭のゾウの話)
    ・ ひろしまのきず(原爆の話)
    ・ つる(ソ連に抑留された兵士の話)
    ・ 父たちがねむる島(玉砕した島の兵士の最期)
    ・ あほうの六太の話(徴兵を逃れるた六太の狂気)
    ・ おもちゃ買いのじいやん(息子に死なれた父親の後悔と、戦争ごっこへの怒り)

    投稿日:2011/03/03

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