2011年発刊の、にしもとようさんのデビュー作。
難産だった息子の経験を元に生まれた作品とのことで、やはり、事実に勝るものはないと思える気がします。
物語は、
「ぼく ママを さがしているの。
かみさまがね「うまれて いいよ」って。
だから、ママを さがしているの。
という書き出しで始まり、天使のような赤ちゃんが登場します。
それから、ぼくのママを探す旅が始まります。
くまくん、ごりらくん、ぶたくん、ふくろうくんと、ぼくのママについて尋ねるのですが、みんな知りません。
みんな、自らのママを紹介してくれるのですが、ママ達は一様に、「うまれてきてくれて ありがとう」と言うのです。
最後、ぼくは、明るい光に導かれて誕生するのですが、
この一文は涙なしに読めません。
ぼく、ママの こどもで うまれるよ。
「あの ことばを いってもらいたくて…」
「うまれてきてくれて ありがとう」
どうです?
子供が生まれ出でた時の感動は、時間の経過とともに少しずつ色褪せていくもの。
でも、あの時の想いを一番大切なものとして、何かあれば真っ先に思い起こすようにしたいものです。
そんな気持ちにさせられる絵本で、パパとしては、同時にママに「うんでくれてありがとう」という気持ちを絶えず持ち続けていきたいと、今更ながら思いました。
読み聞かせも良いですが、果たして世のママの涙腺を保って最後まで読めるか、少々疑問な絵本です。