このお話は月夜の晩、浜辺に上がってきた魚たちが演芸会をひらくというもの。松に鯛が登って「松にお日さん、これどうじゃ」と問うと一斉に魚たちが「妙々々々々々」とはやしたてる…というもの。作者の脇和子さんは、お母さんからこのお話を毎晩毎晩繰り返し繰り返し寝間で聞いたそうです。
コッコさんシリーズで有名な片山健さんにして天才と呼ばしめる大道あやさんの絵です。一見して上手い!と思わせるのではない大道さんの絵は、あんまりお母さん達の好みに合わないかも知れません。でも!!こどもたちはこの絵の本当の魅力をすぐに見破ります。蛸の紫、鯛の赤、松の緑、どれもこれも磯の香りがしてきます。
先入観を捨て、ぜひこどもと一緒に大道さんの絵をじっくり見て下さい。声に出して読んでみて下さい。妙なる世界にふれることのできる珠玉の一冊です。