真っ赤な表紙を見た時に、夢に出てきそう・・・と思わず手に取りました。
実際に、夢の中を旅するお話だったので幻想的な絵に納得。
12ヶ月を色だけで表している、と言っても過言ではない、鮮やかなページが続き、ページをめくる度に息を呑みました。こんなに色鮮やかな夢を見られたら素敵だな、誰の夢の中なのかな、とぼんやり考えつつ読んでいるものの、絵に圧倒されているうちに読み終えてしまいました。
本を読み終えてから、「あの時、ぴっぽは何故・・・」、「ぴっぽと羊はどこに向かったのだろう」というような疑問が色々と湧いてきました。本の中で明確に述べられている内容が少ないのですが、印象に残った絵を思い浮かべながらあれこれと想像をめぐらせてくれる余韻もまた楽しめました。
やや大人向けの絵本かなという印象でしたが、これをこどもと読むなら、読みながらどんな話をするのだろう、この絵本の持つ力や魅力を私はきちんと伝えられるのだろうか、と悩んでしまうほど静かな力を持つ作品だったと思います。