【内容】不眠気味な王様を心配した大臣たちが、王様に安眠を提供しようと、国中の騒音を撲滅しようと試みる。しかし、何をしても王様は眠れない。困り果てた大臣たちを尻目に、音を立ててはいけないはずの部屋から漏れ聞こえる歌声。その正体は?
【感想】
ギャグだと思って笑えるし、社会に対する皮肉だと受け取って楽しめるし、単にきらびやかな絵を眺めて雰囲気に浸ってもいい。絵の中に、細かいギャグがちりばめられているよう。セリフのないわき役たちの心情を考えてみても楽しい。いろんな楽しみ方ができる作品。
最後の結末に、のけぞってしまうこと請け合い。こ、こんなことのために、大の大人が国民を巻き込んでの大騒動!どこの国でもありそうな、ばかばかしい展開で、大迷惑をこうむるのは国民だ。
原作者は社会に強烈な皮肉のパンチをぶちかましたかったのだろうかと、私は勝手に思い至り、共感するものを感じ、溜飲が下がった。こんな風に不満をアピールしたらお洒落だな。絵本という方法で。