これは、消防艇ハーヴィの話です。9.11の話なら読まなかったと思います。実際、この絵本の存在を知ったときも、矢野顕子さんの訳であることに惹かれたのですが、9.11がらみと知って、躊躇しました。
しかし、ここで立ち読みさせていただいて、これは素敵な絵本かもしれないと思い、買い求めました。
素敵でした。
決して声高に語られることのない、消防艇ハーヴィの運命が胸に迫るのです。
☆4つのわけは、邦題です。これは9.11を意識させる題名ですよね。あるいは、ビバ!ニューヨーク的な匂い。
原題は「FIREBOAT」のみです。吹き上げる水のひとすじに小さく「The Heroic Adventures of the John J.Harvey」とあるだけです。
本国でも、たとえば帯に9.11メモリアルのようなことが書いてあったかもしれません。
でも、私は、できれば消防艇なんかが好きな男の子が手にして、親と一緒に読んで、はっと気づかされる、みたいな方がいいかも、と思ったのでした。