正直、私自身がこの絵本をこなせて(消化できて)いない感があります。
死を扱った話です。今まで、死を見たことない子供にとっては、動かなくなって
しまったことの意味が分らないから、きっと、絵本の中のかえるくんみたいに
誰かに聞きに行くのでしょうね。
今、6歳の息子も全くそういう経験がないので、きっと同じ態度を取ることでしょう。
その点ではとっても納得しているのですが、どうしても、私がこなれることが出来ないのは、
あんなに悲しんで厳かに埋葬したのに、どうして急に、鬼ごっこが出来るのでしょうか?
きっと私が歳を取りすぎてしまって常識やら慣習やらに縛られているから、モヤモヤ感が
残るのかもしれません。
印象的だったのが、死と言うものを教えてくれた“のうさぎくん”が
「このよのなかにあるものはね、みんな、いつかはしんで、あのよへいくんだよ」
と言いながら天を指していること、そしてみんなが上を見ていることでした。
それと、この絵本のシリーズでは表紙を開いたところのページは通常、風景とかが
多いのに、お花が散らばったように描かれているので、その部分を初めて見た時には、
おや? 珍しいなと、ちょっと違和感を覚えました。その違和感が的中したらしく、
これは手向けた花なんですよね...
暗くなりがちの死を純粋に捉え、そして、こどもの目線からその死から「生きることの
喜び」を学んだところに意義があるのだと思うけれど、やっぱり大人なのかなぁ、
ちょっとしっくり来ませんでした。でも、いい本だと思います。いつかこの本の真意が実感
できたら、評価はきっと4つ☆になると思います。