なかなかこの手の宗教関連の絵本は、
お説教臭いのではと思ってしまって手に取ることもあまりないのですが、ふとした気まぐれで読んでみた絵本。
なんと字が無い!斬新ですね。
作者も説教臭くならないように工夫したのかな?
と思っちゃいました。
字が無いとかえって熱心に読んでしまうので
術中にはまった感もありましたが…。
雪の日、貧しいおばあさんがお金が無くて商売道具のオルガンを質に入れ、わずかなお金を手にしたとたん、バイクの引ったくりに合うという結構ベタな始まりですが、その後が斬新です。
お話は中略しますが、おばあさんに助けられた小さな聖人の像たちが、雪の中で倒れたおばあさんを助けるために、オルガンを買い戻し、スーパーで食糧を買い、暖炉のあるちいさな小屋におばあさんを運ぶという顛末です。
質屋でオルガンを買い戻す聖人、スーパーでカートを押す聖人…なかなかレアなシチュエーションではないでしょうか?
きっと作者は現代的な設定でより子供たちに聖人を身近に感じさせたかったのではないかと思いますが、
図らずも、プッと吹き出しそうなキッチュな味がでているような気がしました。不謹慎かもしれませんが。
宗教とは関係なしに、なかなかユニークな作品だと思います。