萱野さん(アイヌ民話の研究家・第一人者)と斎藤博之(画家)さんのコラボ絵本です。
このお二人のアイヌ民話の絵本はたくさん出版されています。
この物語に登場する語り手の「わたし」って、誰だったんでしょう?
“オキクルミ”(アイヌの神さまで、彼にまつわるお話はたくさんあります)かなぁと、思ったんですが、
最後まで名前は出てきませんでした。(気になります)
クマとの戦いのシーンなどもありますが、実はこの話クマが人間の女性に恋したことから始まる「恋物語」でもあります。
物語の語り手「わたし」が、もしもたまたまここへ現われなかったら、あの木ぼりのオオカミはずっと彼女を守り続けたのでしょうか?
このクマも、人間の女性が好きになったのなら、人の男に化けてくれば上手くいったかもしれないのに!と思いました。
竜やら、蛇やらサルやら、日本の他の地域の昔話や海外の昔話には、よく動物系の魔物が、人の姿になって、人間の女と結婚する話がありますよね〜?
アイヌ地方には、そういう発想がなかったのでしょうか?
とっても不思議なゆがんだ恋の物語でした。
内容は面白かったですが、どんな対象のお子さんたちに向いているかな〜。あまり小さいお子さんたちにはちょっと難しそうです。
小学校高学年以上のお子さんで、昔話に興味があったり、ヒーローものが好きだったりしたら、喜んで読んでくれるかも…。