1926年島根県津和野町で生まれた安野光雄さんは、「旅の絵本」「もりのえほん」などで知られています。
この作品は、1968年に「こどものとも」に掲載され、絵本として1971に発行されたものです。
実に今から40年前の作品なのですが、古さは全く感じません。
トンガリ帽子を被った小人のような人が登場し、日本的なものがなく、言われなければ、外国の絵本と錯覚してしまうような絵です。
その絵が、トリックアートとなっていて、文字がない絵本なのですが、単純なものもあれば、一寸考えないと分からないものもあります。
気にいった絵は、プールに飛び込んだのに、ほぼ平面移動でまたプールに飛び込める不思議なプールと、水道の蛇口から流れ出た水が川になって、それが集まって蛇口に続いているという2枚。
どちらも目の錯覚で、永久機関のような絵は、何度見ても楽しめるものです。
誰が読んでも、きっとお気に入りの一枚が見つかる絵本だと思います。
安野光雄ワールドが堪能できる作品です。