仲の良いじいさまとばあさま。
ある日たきぎを拾いに行ったじいさまは、滝のそばで若返りの泉を見つけます。
その話を聞いたばあさまは、明日じいさまに泉に連れて行ってもらう約束をすると、うれしくてうれしくて眠れません。
とうとう待ちきれずに、一人で泉に行ってしまったばあさま。
いくら待っても帰ってこないばあさまを探しに、じいさまが滝まで行ってみると、ばあさまの服を着たあかんぼうが、大きな声で泣いていました。
じいさまを喜ばせようと、若返りの水をたらふく飲んだばあさまは赤ん坊になってしまったのでした。
私だったら、自分のために飲んでしまいそうですが、このばあさまは「じいさまを喜ばせよう」とたくさん飲んだのですね。
そして若返りの水を飲めると思うと、嬉しくて嬉しくて眠れない、という少女のようなばあさまも可愛くて、人間らしくて好きです。
最後に、赤ん坊になったばあさまのおしめをかえたり、洗ったり、おんぶしたり抱っこしたり、大忙しなじいさまの姿が描かれているのも、何だか笑顔になってしまいます。
6歳の娘も、赤ちゃんの泣き声が聞こえてきた、というところで、「水、飲みすぎちゃったんじゃない?!」と気づいて、笑っていたので、子どもにもわかりやすく、面白いお話になっていると思います。
「ほどほどが良い」という教訓めいたものではなく、ちょっとドジをしてしまった程度の笑い話のようになっていて、
最後もこれから先を想像して、笑顔になれるような終わり方なので、幼稚園児くらいでも楽しめると思います。