別の本を図書館で探していた時にふと目に留まり、手にしてみて、その表紙に描いてある人物の様相、特に目が印象的で、手放せなくなり借りて帰ってきました。
今まで何度も、お釈迦様の話は聞いたこともあるし、テレビで見たこともあるし、手塚治虫の漫画だって読破したことがあります。なので、内容は大体分っているのですが、きっと人生が長くて、あまりにも記述が多すぎるからか、どれも漠然とした印象しか残りませんでしたが、この絵本は、その何と言うか不思議な印象の絵で、しかも必要以上には事柄が盛り沢山になっていないので、大変読みやすかったです。
修行中に悪魔の誘惑にあうところが、そう言えば、イエスキリストにもあったなと思い、どの宗教も類似点があるんだなぁと漠然と思ったり、また、逆に聖書では結構たくさんの奇跡が起きるけれど、このシャカの逸話の中では、子供の死が信じられない母親に対して、お釈迦様がとった行動は奇跡でもなんでもないことがとても印象的でした。
とても興味深い絵本でした。私と同じように、今まで何冊もお釈迦様について読んだ事がある人も、是非、一度、読んでみられることをお薦めします。そして、勿論、初めて読む子供にもお薦めです。
決して華やかな本ではありません。でも、個人的には、表紙をめくったページの言葉が何も描いていない青いページが、水の水面に見えて、なんだか仏教の思想をにぴったりとしているなと、そのような設定にしている作者:油野誠一さんのフィーリングがとても気にいっています。って、私の感情が入りすぎかもしれません(笑)