「矢村のヤ助」 自信を持っておすすめしたい みんなの声

優しい無欲な純情なヤ助には、せっかく恋女房を迎えられて

幸せにおっかさんと、三人の平和な暮らしが続いてほしかったと

思いました。アカネに恋をして、アカネのほうもヤ助をいい

かただと、お逢いしてから好きでした。と、言われて、一度は

恋女房と暮らせたからよかったんだと思うにですが、なんか

切なくなってしまいます。ヤ助には、アカネとずっと一緒にいて

ほしかったです。

つる女房を基にしたかこさとしさんのオリジナル昔話です。
ヤ助が好い人過ぎるのが気になりましたが、アカネに対する愛情がとてもみずみずしくて、米寿とは思えない若さを感じました。
山鳥の恩返しは、山の鬼退治でしたが、アカネが、二人暮らしにもどったヤ助の家を山鳥の姿で訪れるシーンのヤ助のつれなさが、ヤ助の思いの深さを感じさせて、思春期志向に思えました。
かこさとしさんの作品の中では異色かもしれません。

プロポーズの場面では、見ているこちらも頬が赤くなってくるようでした。鬼が岩山から落下する場面は鬼気迫るものがありました。最後に現れた山鳥はきっとアカネですね。いやほんにかこさとし先生の紡ぐお話は素晴らしい。88歳おめでとうございます。