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救援物資を運んできたトラックも、そのトラックに集まってくる人々も、一発のロケット弾が破壊してしまいます。 22年前に出された絵本なのに、現在のウクライナ情勢とシンクロしてしまいました。 でも、そんな荒廃した街に、おじいさんのチェロが響きます。 音楽は怯えや悲しみを浄化してくれる魔法かもしれません。 おじいさんはチェロを壊されても、ハーモニカで音楽を奏で続けます。 戦争に対する抵抗と、音楽によって勇気づけられる人々を想像しました。 戦争はあってはならないものですが、圧力に屈しないことの大切さをを痛感します。 訳者がタケカワユキヒデさんと知って、頭の中に「ガンダーラ」が聴こえてきました。 愛に満ちた訳です。
投稿日:2024/02/07
人気ロックグループのゴダイゴのタケカワユキヒデさんの訳だったので 興味があって選びました。 悲しみの絶頂にいる時に音楽で癒され、音楽で勇気づけられたお話でし た。主人公の女の子が、ずっと嫌なOじいさんだと思っていたのですが Oじいさんの勇気に励まされて、Oじいさんの素敵な音楽に生きていく 強い気持ちを取り戻して行く事ができて本当によかったです。 どんな状況におかれても優しい気持ちは持っていたいと思いました。
投稿日:2011/10/14
戦争、災害、事故、ある日突然人の心をかさかさにしてしまう出来事。そんな時に、慣れ親しんだ曲や、懐かしい曲、時には、それまでは馴染みのない音楽が突然、水のようにしみわたり癒してくれることがあります。 戦争で町が破壊され心までが壊れそうになった主人公の女の子に元気を与えてくれたのも、いつもは疎んじていた近所のおじいさんの奏でる音楽でした。それは、戦争に行っている音楽好きのお父さんが聞かせてくれた、そのおじいさんのチェロにまつわる話が心のねっこに残っていたからこそなのかもしれません。 タケカワユキヒデさんの訳は、女の子の語り口で書かれていて、子ども達に読み聞かせするときにぴったりだと思います。普通のですます調に直して読むと緊張感が出て、戦争の空しさと音楽の温もりがしんしんと伝わるような気がしました。
投稿日:2008/05/15
戦火の町に住む女の子が語り手です。 めちゃくちゃになってしまった町。 男手は皆、戦争に出かけてしまい、残されているのは子ども、女性、老人、病人だけ。 その人々が、週に1回、配給物資をもとめて広場にやってきます。 そこには、人とろくに話もせず、「オー」と怒ってばかりの「O(オー)じいさん」もいました。 ある日、その広場も攻撃され、絶望が人々の心を満たしそうになったとき、Oじいさんが、その広場でチェロを弾き始めるのです。 美しいバッハの旋律は、生きる勇気を与えてくれます。 しかし、そんなOじいさんを敵が放っておくはずはなく、攻撃を受けて大事なチェロが壊れてしまうのです。 わずかな楽しみさえ失われたかに思われましたが、再びOじいさんは広場に現れます。そして…。 女の子の心を解かし、人々から怒りや恐怖を忘れさせる音楽の力。 そして弱者の心を癒す、その力さえも容赦なく破壊する戦争のむごさ。 物語の中では戦争は終わりません。Oじいさんは再び攻撃されてしまうのでしょうか? 「いいお父さん」としても有名な、タケカワユキヒデさんの訳です。
投稿日:2006/09/19
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