オレンジ色に、空を見上げる女の子の大きな瞳が印象的な表紙・・・「やきいもの日」というタイトルも心惹かれます。
お話は、ケンカした友だちと仲直りする話なのですが、とにかくその心理描写がお見事!タイトルのやきいもが、効果的に描かれています。
ケンカして、イライラ、トゲトゲ、悲しい気持ちが、甘いやきいもを食べるうち、だんだん優しい気持ちに変わっていきます。最初は味も分からない、一口二口食べるうち、そのおいしさに気付く・・・
ほかほか温かいやきいもが、冷たくなった二人の心も温めてくれ、我慢していた気持ちを溢れさせ、素直になれた気がします。
真っ黒な手で涙をふきつつ、二人で笑いながら食べるやきいも・・・本当においしかっただろうなぁ。
全ページを通して描かれる秋色の色調も素敵で、秋に読むのにピッタリの絵本です。