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60年前の東京、主人公が6歳の時の原風景でしょうか。 裏通りで一人遊びをしていた自分の前に現れた女の子。 でもその女の子は腹話術師の操る人形だったのです。 少年の頃の町の面影と、友だちを病気で失った心の痛みと、孤独な心象風景が広がっていきます。 女の子は何を象徴しているのでしょう。 少し怖そうな腹話術師の大男は、少年にとってなんだったのでしょう。 意味深いイメージの世界。 山田太一の世界は、大人の世界でした。
投稿日:2011/10/05
とても有名な脚本家・作家の山田さんの初絵本作品。黒井さんの絵が大好きなこともあり、興味津々でじっくり読ませていただきました。 映画でもノスタルジックな昭和の世界が繰り広げられていますが、この絵本も60年以上前の東京の路地が舞台で、チョークで丸を描いている少年が主人公です。まるでぬりえから抜け出たような、外国のお人形さんのような女の子が声を掛けてきます。そのやりとりと、男の子の心理描写が魅力で、怖そうな大男の存在も謎。 現実と想像の世界を行ったり来たり出来る、子どもの時代ならではの感覚なのかもしれません。
投稿日:2006/10/30
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