絵本を開いて、一番驚くのは、構成の仕方です。
全ての見開きのページで、
左側は、明度をつかって白黒の濃淡で、
右側は、彩度をつかって深い森のなかの世界を描いています。
その中で、こびと達の帽子の赤と白が
眼に飛び込んで印象的です。
文章は全て、左側に書かれているので、
右側では、心おきなく絵画を楽しめます。
贅沢なレイアウトに感激します。
こびとの家族の一年を追ったお話は、
大冒険や大事件があるわけではないけれど、
こびと達の日常そのものがファンタスチックで、引き込まれます。
まつかさのよろいで闘ったり、
かえるやこうもりと仲良しだったり、
妖精とシーソーしたり・・・夢の様なことばかり。
こびとになった気分になってきます。
ファンタジーだけど、身近に感じられる世界ですね。
作者が最後に語っているように、
続きのお話を、自分でも考えられそうな気がしてきます。