少年が小学校に着くまでの物語ですが、この絵本は音楽で物語を語ってくれます。
家を出た黄色い傘の少年が途中で、友だちの家に寄って青い傘の少年を誘います。
歩いて行くと赤い傘の友だちの女の子と一緒になります。
それから、小学校までだんだん傘は増えていきます。
橋を渡り、公園を通り、階段を上り、踏切を渡って、横断歩道を渡って…。
言葉は全くないのですが、13の場面ごとにピアノの音楽が情景を語ってくれます。
絵とピアノのみごとなコラボレーション。
リュウ・チェスウさんの絵と物語から受けたイメージでシン・ドンイルさんが曲をつけていますが、聴く人、見る人それぞれに物語のイメージを自由に膨らませていきます。
13曲の後に、全体の物語曲が収録されています。
音楽の授業の取り組みにとても面白い本かと思いました。
学校にたどりつく最後の画面以外はすべて真上からの構図で、子どもたちの姿は見えません。
多くの傘が登場するのですが、全く同じ色の傘がないのは、それぞれの子どもの個性を大事にしているのだと思います。