ひろかわさえこさんの「やさいむらのなかまたち」の冬編です。
なんといっても、書き出しがいい。
「こころのちずをひろげると、ふるさとちほうのかたすみに「やさいむら」がのっています」。
そんな「やさいむら」に帰ってきたのは、はずかしがりやの「にんじん」さん。
出迎えてくれるのは、水もしたたるいい男の「はくさい」くんに「かぶ」さん。
いつもぼーっとしている「ごぼう」くん。
「ぶろっこりー」さんに「かりふらわー」さんはいとこ同士とか。
もちろん、「だいこん」くんははずせません。
泣き虫「ながねぎ」さんもいますし、「れんこん」くんもいます。
いつもながら、ひろかわさんの絵がかわいい。
こんなにかわいい野菜なら、なかなか食べられません。
かわいさだけでないのが、この絵本のいいところ。
野菜の知識も満載なのが、うれしい。
例えば、白菜。
昔からある野菜だとばかり思っていましたが、実は日本に伝わったのは明治時代だそうです。日清戦争や日露戦争で中国に行った兵隊さんが持ち帰ったところから広がったそう。
知らなかった。
それに白菜の大部分は水分なんだそうで、風邪予防にもなるそう。
知らなかった。
そんな野菜ミニ知識がいっぱい載っています。
冬野菜は夏野菜とちがって、上には伸びない種類が多いので、派手さはないのですが、冬の生活に合わせて、私たちと共存共栄していることが、このかわいい絵本からもわかります。