表題のあとに、“いろいろな国に、少しずつかたちを変えて、つたわっています”とあるように、どこかで読んだことがあるようなお話しです。
おじいさんとおばあさんが子どものいない寂しさを紛らわすように、ねんどで男の子をこしらえました。するとねんどはすっくと立ち上がり、「ぼく、ねんどぼうや!おなかぺこぺこ」と言いました。ミルクとパンを平らげたねんどぼうやが、「もっと!もっと!」と言うのを聞いて、かるい悪寒が走りました。嫌な予感は的中!さらにヒートアップするねんどぼうやは、手当たりしだいに何でも飲み込んでいきます。槙ひろしさんの『くいしんぼうのあおむしくん』のリアル版という感じで、擬音も効いて恐怖さえ感じました。やり切れないエンディングを覚悟しはじめた頃、意外な動物が現われて、めでたしめでたしで幕引きとなるのですが、あの動物は外国では神の化身なのでしょうか?有名なノルウェーの昔話を連想する方も多いと思います。
ある程度大きくなってから読まないと、怖すぎてこどもがついて来ないと思いますが、我が家ではめずらしく、息子が続けて持って来たので☆5としました。のちのちまで心に残りそうな作品です。