「水たまりの王子さま」 みんなの声

表紙を見て、こうふくのおうじさま？と思い手に取り、次にタイトルが気になり読んでみました。
「こうふくのおうじ」の絵本を大切にしている少女とスリの男の心の交流の物語。
スリは彼女のこうふくのおうじになれるのでしょうか。
スリの男の語りも良かったです。
絵本ですが、幼児では難しいと思います。

ミュージカルが元と言うことで、文章が主体の絵本です。

絵があるページとないページで分かれており
文字はとても多いので、小さなお子様向けではないかもしれません。

内容もやや難しいので、学校に入っている年齢のお子さん向けだと思います。

挿絵がとても素晴らしく、やや憂いを帯びたイラストに惹きつけられました。

全頁試し読みで読みました。母親が夜遅くまで働いていたので、母親を探して階段から落ちて歩けなくなってしまった少女です。スリをして逃げ込袋小路で出会った二人です。少女は、短い命だったですが、夢を見ながら水たまりの王子様を見つけられてよかったと思いました。少女のお陰で全うに生きることが出来てよかったと思うし、幸せの意味を知ることが出来てよかったと思いました。与えられた環境の中で、幸せに生きることの意味を学んだような気がしました。

足の不自由な少女と出会ったスリの独白ですが、テンポのよさと軽妙な語り口調に魅了されました。
スリの粗暴な心が、次第にとても清らかになっていくさまが印象的です。
『幸福の王子さま』の悲しさが、こんなに感動的な物語になるのですね。