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読み終わって、ふわーっとした、何かもやに包まれたような気持ちになりました。美しい、心が洗われるような絵を楽しむ絵本である一方で、とても哲学的な絵本でもあると思いました。 それぞれの月の夢の中で、美しい場所に暮らす小さな生き物たちは、それぞれが果てしない夢を見ています。 それは、傍目にはないものねだりのようにも、少し贅沢な悩みのようにも思えるものもあります。 でも、今の場所に安住するだけでなく、もっともっとと夢を追い求めていくことが、「生きる」ということなのかと、おぼろげに感じました。 すぐに答えが見つかるわけではないけれど、夢見ることが夢をかなえるための第一歩なのかな、とも思います。 美しいだけではなく、なかなか深い絵本でした。おすすめです。
投稿日:2015/04/18
真っ赤な表紙を見た時に、夢に出てきそう・・・と思わず手に取りました。 実際に、夢の中を旅するお話だったので幻想的な絵に納得。 12ヶ月を色だけで表している、と言っても過言ではない、鮮やかなページが続き、ページをめくる度に息を呑みました。こんなに色鮮やかな夢を見られたら素敵だな、誰の夢の中なのかな、とぼんやり考えつつ読んでいるものの、絵に圧倒されているうちに読み終えてしまいました。 本を読み終えてから、「あの時、ぴっぽは何故・・・」、「ぴっぽと羊はどこに向かったのだろう」というような疑問が色々と湧いてきました。本の中で明確に述べられている内容が少ないのですが、印象に残った絵を思い浮かべながらあれこれと想像をめぐらせてくれる余韻もまた楽しめました。 やや大人向けの絵本かなという印象でしたが、これをこどもと読むなら、読みながらどんな話をするのだろう、この絵本の持つ力や魅力を私はきちんと伝えられるのだろうか、と悩んでしまうほど静かな力を持つ作品だったと思います。
投稿日:2015/04/06
ページを開くたびに思わずため息。和のかおりがそこはかとなく漂う画面構成に目を奪われて、ものがたりの進行を忘れてしまいそうになる。そんな絵本です。お話しは遠慮がちに、でもしっかり考えられていて、悲しくなり、寂しくなり、嬉しくなって、胸が締め付けられる結末が用意されている、クオリティーの高い作品。 4,5歳向けだと思うのですが、大人が手に取っても十分に楽しめます。保育士志望の学生たちが、感動の溜息をついていました。日本語版の刀根さんの作品はこれだけのようですが、翻訳前に入手して読んでみようと思っています。
投稿日:2015/01/10
母親の私が、絵本売り場で目に付いて読んでみたくて 「これ読んでみようよ」と娘を誘った一冊。 三歳の娘には、それほど心を奪う絵本ではなさそう。 「ひっぽのたび」だって。私の読み間違いに 「ひっぽ」=「かば」を思い浮かべた娘は「読んで読んで!」 「ひっぽじゃなくてぴっぽだった」「ぴっぽ?かわいぃー」 内容は、、、不思議なお話。 静かに語りかけるように読んでみる。 娘のこころにはどんな風に読み解かれていってるのかな。 大人は深く読んでしまって何かを感じ、この独特の余韻に 言葉がでないが、子供は素直。 「よくわからないけど、ひつじさん、起きたね」 こんな絵本を難しいからと思わず 読んであげるのもよいのかもしれない。 とにかく絵が繊細できれいだから 見るだけでも価値ある本かなと思いつつ。 育児で雑然としたママのこころに静けさと安らぎと ちょっと時空を超えた何かを感じさせてくれる一冊です。
投稿日:2015/04/17
とにかく色彩が美しい。 鮮やかな赤と、優しいピンク、そして青い小さなぴっぽが印象的な表紙。 めくって表紙見返し部分も、繊細に描かれた植物の濃紺が美しい。 5月の黄色に始まって、6月の緑、7月の水色、8月の碧、9月の金色、真っ赤な10月、そして雪の降る冬へと続き、やがて春色の4月を迎えます。 どのページも、どのぺーじも、つい手をとめてしばし見入ってしまう美しさで、まるで色彩の魔法にかかったような気持ちでした。 1枚1枚、額に入れて飾りたいほどの幻想的で素敵な絵の数々に、思わず溜息が出るほどでした。 お話も、ちょっとせつないような、それでいて最後には温かい気持ちにさせてくれる素敵なお話でした。 いつもひとりぼっちだったぴっぽの夢は、たいせつなともだちに出会えたことでかなえられました。 ぴっぽはもう、ひとりぼっちではありません。 4月、新しい出会いの季節に読むのにピッタリの絵本でした。
投稿日:2015/04/14
旅をしながら色々な出会いを繰り返すことで自分の置かれている状況を見つめなおす、なかなか深い物語で大人も考えさせられます。もう少し大きくなって、わがままを言うようになってきたら読み聞かせてあげることで、ぴっぽを自分に置き換えて考えてくれるようになるといいなと思いました。小さなひつじさんは可愛いです。
投稿日:2015/04/13
主人公のかえるのぴっぽは、小さい羊と一緒に、夢の中を旅します。5月、6月、、、いろんな景色をみて、他の生き物がぴっぽたちのような旅できる人生をうらやましがります。そして、秋になり、冬がきて、ぴっぽは独りで先にいきます。羊を置いてきたことに気づいたのが雪の中。翌月の夢で一生懸命探しはじめます。そして最後に、まためぐりあえます。 自立することができる強さと、それでも友人がほしい気持ちが、素敵な絵本になっていました。 子供も絵を気に入っていました。羊がとくにかわいいので気に入っています。
投稿日:2015/04/12
5月、6月、7月…四季折々の色が幻想的で、思わず見惚れてしまいます。 それぞれが美しい世界だけど、どこか満たされない、そんな寂しさも感じられる。 眺めながらどうしてこんな気持ちになるのだろう…と、少し泣きそうになりました。 「めぐる季節の中で、必ず変わらないものもある」 ぴっぽはようやく出会ったのですね。ずっと一番近くにいた大切なものに…。 私は8月の海が好きです。 鏡のように自分の中に映る星たちに、触れてみたい…一緒に踊ってみたい… みんな自分の居場所があってそこで生きて、それでも誰かに会いたいとかどこかへ行ってみたいとか、何度も遠い夢を見ているのですね。
投稿日:2015/04/11
静かなのに、強く込み上げてくるものがあります。 移りゆく季節に、止まることのない時間を感じました。 そこで出会う動植物たちの言葉に、じぶんにないものを求める想いが見えました。 “誰もが、孤独を感じたり、じぶんの居場所を求めている” 切ない想いと、ひとりじゃないという、心強い気持ちが湧いてきます。 そして、一番大切なモノが、何なのかも…。 美しい色彩に酔いしれて、ますます胸がいっぱいに。 心の奥に眠る想いを目覚めさせ、癒してくれる、そんな感じの一冊でした。
投稿日:2015/04/08
主人公のカエルが、羊と一緒に夢の中を旅します。主人公のさみしがりのカエルは、旅しながら、いろんなことに気づいて、成長していきます。最後は独りでもできる自信がついてきます。 大人にも興味ぶかい絵本でした。 絵もきれいで芸術的です。
投稿日:2015/04/05
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