猫が主人公なので、少し躊躇しました。というのも、私は新車の愛車を近所の野良猫にずいぶん傷つけられ、もう「猫は天敵!」と思っているからです。もちろん絵本の中の猫に車を傷つけられるわけないのですから、気にし過ぎ!と言えばそうなのでしょうが…。
この『きみへのおくりもの』を読んでみようと思ったのは、表紙の青の美しさでした。平山郁夫さんのラピスラズリノの青のようで、青って深いなと思いました。そしてポイントポイントに現れるハートのほんのりと温かさがにじみ出てくる赤がとても効果的で、「ああ、大事なものは形ではない!」と無言で伝えてくれていると感じました。
少し心にしんどさや疲れを感じた時、きっと手にする絵本だろうと思います。私は大人にお勧めしたい、『おとなへのおくりもの』の絵本だと思います。