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狐物語」 みんなの声

狐物語 編・画:レオポルド・ショヴォー
訳:山脇 百合子
出版社:福音館書店
税込価格:\2,530
発行日:2015年06月20日
ISBN:9784834081763
評価スコア 3.5
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  • 待ちに待った最新刊!

    • R☆さん
    • 40代
    • ママ
    • 北海道

    福音館古典童話シリーズ、4年振りの最新刊が
    ひっそりと本屋の棚に並んでいて
    思わず「おぉーっ!」と手に取りました。

    ずっしりとしたこの重み。「読むぞ!」と箱から取り出すトキメキ感。
    やっぱり好きです、このシリーズ。
    『これぞ、本!』と思わせるこの存在感は、
    今の時代、ますます貴重に思えます。

    さて、「狐物語」というと、同じ福音館書店の「きつねものがたり」を思い出したのですが、読んでみると全く別の物語でした。

    こちらの「狐物語」は、フランス中世で生まれた数々の狐物語(ルナールという狐を主人公に、色々な人が物語を書いていたようです。)を
    レオポルド・ショヴォーが編集しなおしたものです。

    この主人公の狐ルナールが、本当にずる賢い!
    周りの動物たちを次々に騙し、裏切り、王様まで騙してしまうのですから。
    しかし、当然いつもルナールだけがいい思いをするわけではなく、彼はたくさん失敗もするのです。

    ルナールとさまざまな動物たちが繰り広げる攻防合戦は
    時には、野生のままの生々しさを感じさせ
    時には、まるで人間社会そのままのように描かれ
    長い物語も飽きることなく読み進めることができます。

    ルナールのずる賢さに、親子で思わずあきれたり、
    やり返されて「ほらみたことか!」とニヤニヤしたり。

    この世の中は、残念ながら
    決して「良いこと」「美しいこと」ばかりではありません。
    うちの子もこれからの長い人生の中で
    誰かに裏切られて悔しい思いをしたり、涙を流す日々が
    全く無いとは思えません。
    そんなことを含めて、
    ルナールの物語を通して
    子どもと一緒に色んなことを感じながら
    有意義な読み聞かせタイムを過ごすことができました。

    たくさんの章に分かれているので、
    毎日少しずつ読み聞かせするのに向いている本だと思います。
    挿絵は作者ショヴォー本人によるもので、独特の雰囲気があって
    これもなかなか面白いです。(読みきかせしている途中で、子どもがイラストに見入ってしまい、なかなか次のページが開けない…なんてこともたびたびありました。)

    意外だったのは、訳者が
    絵本「ぐりとぐら」の絵などで有名な山脇百合子さんだったこと。
    翻訳もなさる方だったとは今回初めて知りました。

    投稿日:2015/12/03

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