この作品は「五感のえほん」シリーズの5巻目で、海辺の町で暮らす一人の男の子家族を中心に、周囲に住んでいる人たちの日常を描いたものです。
ほのぼのとした作品で、大きな盛り上がりは一つもありません。しいて言えば男の子・ひろしのお姉ちゃんが結婚して家を出ていくことくらいでしょうか。
“くらす”というタイトル通り、ひろしが町を動き回ることで見えてくる
この町の人々の暮らしがさりげなく、それでいてしっかりと描かれていました。
1ページ1ページ見ごたえがありました。
さすが、太田大八さん(絵の担当)です。
作者の森崎和江さんはあまり聞かないなだと思ったら小説家(詩も書いている)でした。
面白いのは、この森崎さんの描いた海辺の町のおはなしには続きがあって、それは「五感のえほん」シリーズ7へ。
いろいろな作家さんを使う絵本シリーズの中で、一人の作家さんの続きの話を、別の画家に描かれるというのは珍しいことではないかと思います。
気になる人はぜひ「五感のえほん」7も手に取ってください。