子どもたちにとって、身近にかかる病気のひとつ、風邪の症状を伝えるという点では面白いと思います。
ただ、どうして風邪をひくのか、ここが一番子どもは知りたいはずです。「かぜばいきん」はどういう時にからだに入ってくるのか、という説明がないまま、夢の中でただ注射器を持っているお医者さんと争っているだけでは、すとんと納得はできないでしょう。
またどうしたら風邪の予防ができるかなどということも触れられておらず、ただ「風邪ひいて、こんな症状だったけど、早く寝たら治ったよ」というだけのおはなしです。
もちろん科学絵本ではないので、そこまで触れる必要がないという意見もあるかもしれませんが、ストーリー展開も唐突な感じがします。
絵のタッチもとてもラフで、それが持ち味かもしれませんが、何度も読みたくなるという絵本ではないと思います。