ええ、題名を認識した途端、ほろ苦いコーヒーテイストの物語だと直感したのです。
刀根さんの柔らかな色彩と相まって、素敵な世界が広がります。
疲れ切った「ぼく」はパソコンや書類が散乱する机上で眠ってしまったらしいのです。
そこに現れたのが、白くて小さなうさぎ「モカ」。
モカは「ぼく」を励ますかのように、コーヒーを淹れ、「ぼく」に薦めるのですが、
自暴自棄の「ぼく」は断ってしまうのですね。
でも、気づいてしまったモカの正体。
コーヒーの効用がじんわりと伝わってきます。
「ぼく」はまったく描かれていないのに、その表情や心情が伝わってくるのはすごいです。
やはりコーヒーの味がわかる年齢から、しみじみと味わってほしいです。