三人のそれぞれ違った夢をもつ少年少女の成長の物語。
それぞれ、子ども時代、5年後の学生時代、10年後の社会人の様子が描かれる。
野球選手になりたかった少年、お菓子屋さんになりたかった少女、昆虫の研究者になりたかった少年。それぞれがどのようにして最初に一歩を踏み出し、難しい局面を乗り越え、迷い、最初の夢ではない道に進むかを、俯瞰する絵本。心の動きを悪魔からの襲撃に例えて、挫折したり、失敗したり、夢を諦めたりする仕組みを、わかりやすく解説している。
夢は絶対叶う!という根性論ではなく、もっと地に足がついた展開に安心する。夢の本なのにあまり夢がないように思えるが、「できる事」「できない事」がハッキリして、具体的に将来を考えるのに役立つと思う。
既に大人になってしまった人にとっては、心の痛い場面もあるかもしれない。子どもでも夢を諦めた経験のある人もあるだろうけど、もう一度「何かをやってみようか」という希望が持てるような気がする一冊。夢見心地なファンタジーではないのが、いい。