言葉とは、なんとも面白い。
ジョン・クラッセンの人気シリーズ第3弾となったこの作品の原題は「WE FOUND A HAT」。それが長谷川義史さんが訳すと、「みつけてん」。
気分が躍り出すようなわくわく感が生まれる。
それは本文の訳でもそうで、それはこのシリーズの特長にもなっているのだが、関西弁のなんともいえないもっそり感が、主人公の二匹のカメには似合っている。
「かっこええで」とか「ねよか」なんて具合に。
お話は二匹のカメが帽子を見つけるところから始まる。
ところが、帽子はひとつ。
カメは繰り返すが、二匹。
「どっちか かぶったら、どっちか かぶられへんなぁ。そんなん あかんなぁ」となる。
そこで二匹はこの帽子を「みつけんかった」ことにして、帽子から遠ざかる。
でも。
気になる。
夕日を見てても、考えるのは帽子のこと。
寝ても、帽子が頭から離れない。
一匹のカメは相手のカメが寝たことを確かめて、そろりと。
でも。
もう一匹のカメは自分が見ている夢を実況中継。
どんな夢?
それはこの絵本を読んでみて下さい。
この絵本は関西弁が大好きな人に読んでもらうと気分がでるやろな。
そしたら、めちゃうれしんちゃうか。
なあなあ、はよ、読んでや。
読者まで関西弁にしてしまう、この絵本は強力でっせ。