あまんきみこさんの短編集。
うめだえつこという女の子、えっちゃんが主人公です。
子どもらしさ全開で、強さを兼ね備えたえっちゃんの造形が清々しいです。
「なまえをみてちょうだい」
おかあさんにもらった赤い帽子にはえっちゃんの名前が刺繍してあるのです。
ところが、風に帽子を飛ばされて、探していると、キツネ、牛、大男に出会います。
自分の帽子への愛着がひしひしと伝わってきます。
「ひなまつり」
お母さんと一緒にひな人形を飾っていたえっちゃんは、太鼓が無いことに気づきます。
その夜、えっちゃんは、おひなさまたちが太鼓を探しに出かけているのに気付き、
一緒に探しに出かけます。
おひなさまとの交流が素敵ですね。
「あたしもいれて」
えっちゃんが公園のベンチに忘れてしまった動物絵本。
その夜、えっちゃんは不思議な夢を見るのです。
不思議な余韻が印象的です。
「みんなおいでよ」
ギンギンお日さまの暑い夏、えっちゃんは花たちの声に気づいて水やりをするのですね。
夏の日の水の心地よさが伝わってきます。
花たちと交流できるえっちゃんの感性にも拍手!