本から何かが飛び出してきたりとか、音が鳴るとか大胆な仕掛けではありませんが、仕掛け絵本です。
物語的な意味でのストーリーはありません。
こう、次々視界に入ってくる情景をカメラが収めている。みたいな流れで作られています。
前半はネコ。後半はアリたちの動きを追って…。
時は夜から朝へそして夜へと移動します。
テキスト(文)は少なめですが、ページ数が結構あります。
美術家・グラフィックデザイナーでもあったムナーリならではの世界観がすごいです。
わたしは読んでいて、ネコからアリへと視点が変わっていくシーンが一番印象的でした。
パラフィン紙ですかね。ここで一部使われている特殊な紙。
こういう透明で裏側が透けて見えるからこその技巧がすごいです。
そして、アリたちの好奇心(エサに対して?)半端なかったです。
【事務局注:このレビューは、 2005年刊行 に寄せられたものです。】