第五福竜丸での事故が起きた後、日本では食べるものに困った主婦たちが中心になり、原水爆実験禁止の署名活動がおき、それが国際会議へとつながっていったことを、福島原発の事故後に知りました。
この本は2006年に出版されており、ベン・シャーンの絵を元にアーサー・ビナードが話をつけています。
「石に刻む線」というあとがきの中でも詳しく紹介されています。
広島・長崎と唯一の原爆被曝国である日本。水爆実験後に、原子力の平和利用として稼働が始まった原子力発電。
今また見えない放射能の影響に怯える生活が再び日本に起きてしまったことを考えると、その間にいかに私は何も考えずに過ごしてしまってきたのかを思うのです。
理不尽で悲しい出来事はいつの世にも起こりうるのかもしれない。でもその教訓を次に生かすということがなければ、歴史は同じ過ちを何度も繰り返してしまうのではないか。
そのためには歴史を正しく知ること、それを正しく伝え続けて行くことを思うのです。
正直なところ、この本の存在を知ったのも最近です。子どもがというよりはまず大人が先にこの本の存在を知ってほしいと思います。