母さんきつねの心情がひしひしと伝わってきて、最初から涙が出て止まらずでした。
感想を書くのがこんなにも難しい本に久しぶりに出会いました。
きつねと子ぎつねの「あなたがうれしいと母さんもうれしい」というやりとりがホンワリあたたかだっただけに
子ぎつねが居なくなってしまった悲しみが、苦しいほど、私に胸にも流れ込んできました。
男の子と子ぎつねを重ねながらついつい会話をしてしまうシーンも、
とっさに男の子を抱きしめてペロペロなめてあげたい感情も、
今思うだけでも、ギュッと胸を締め付けられます。
ラストに母きつねの胸に明かりをともそうとしたでんわボックス。
最後の力を振り絞ったという場面・・・。
情景が心いっぱい広がり、感動しました。
すべての母親に読んでほしい。
次は子どもたちに、温かな声で抱きしめながら読んであげたい。
そして、母さんきつねと同じように言ってあげたい。
「あなたがうれしい時、お母さんもいつもうれしいのよ・・・」って。