引用:「大学卒業後にわたしは、食品の加工技術を研究するところに就職しました。厚かましくも、コウジ菌を利用する食品の担当を希望したら、運よくそのとおりになりました。」
農学博士でもある著者は、40年以上もこの道一筋に邁進中。その情熱が感じられる一冊。
中国、朝鮮半島の様々な味噌の仲間。日本にも米・麦・豆などの多様な味噌があり、意外と種類が多い事に驚く。
昔、実家(農家)で味噌は1年分、業者に仕込んでもらって、それを使っていたが、毎日使うので意外と無関心だった。常温で保管していて、当座に必要なだけ蔵から持ってきた。冷蔵庫なんかに入れたことはなかったし、お店で買ったこともなかった。
あんがい、自分は面白い体験をしていたのだと、この絵本を読んでわかった。さすがに麹を作る所はやったことがないが、実際に味噌を仕込んでみると、量が多いので大変だが、作業自体はそんなに難しいものではない。だから昔は各家庭で作ってきたのだろう。
今はお店て出来上がった味噌を買う生活だが、また機会を作って味噌づくりをやってみたくなった。
総ルビで、写真も多く、昭和を感じさせるノスタルジックな絵も楽しめ、見ているだけでも素敵な絵本。おいしい味噌汁が欲しくなる。古来より伝わった食文化を大事にしようと思えた。