ふしぎな はこ(評論社)
箱のなかにはいっているのは?!
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伝記絵本作家による作品ということで手に取ったのですが、 見覚えがあるなあ、と思ったら、『バスラの図書館員』などの作品があったのですね。 今作は、ピーターラビットの作者、ビアトリクス・ポッターの伝記絵本。 数年前、ピーターラビット展で作品の数々に改めて感嘆したところだったので、 嬉しい限りです。 その時は、作品のエピソードが主で、 本人の略歴は簡単にしか紹介されていなかったので、ありがたいです。 やはり子ども時代のエピソードが興味深いです。 ねずみや野ウサギ、ハリネズミなども飼い慣らしていたとは驚きです。 スケッチにヤマカガシ(ヘビ!)やと書けもあるというのもびっくりです。 自分だけの暗号で日記を書いていたというのもすごいです。 もちろん、有名なピーターラビット誕生のエピソードも。 小学校高学年くらいから大人まで、伝記絵本として読んでほしいです。
投稿日:2020/06/12
伝記絵本を調べていてわかったことなのですが、この本の作者ジャネット・ウィンターには、他に『ワンガリの平和の木』『私、ジョージア』『いつもみていた ゆめをかなえた女の子ジェーン・グドール』『バスラの図書館員 イラクで本当にあった話』といった伝記絵本があります。 ジャネット・ウィンターは伝記や実話を中心に描く絵本作家といえるでしょう。 さて、この作品の主人公であるポターは、豊かな家に生まれましたが、幼少期はほとんど外界との接触はなく過ごします。 そのことからか小動物や絵に興味を示す少女に成長しました。その特異な生い立ちからピーター・ラビットが生まれたというのはとても納得できるものでした。 『ないしょのおともだち』という絵本がありますが、ポターがねずみと友だちのように接しているのを見てその絵本のことを思い出しました。 小さめの絵本なので、大勢の読み聞かせには向きませんが、ピーター・ラビットのシリーズを読んだらこの本も併せて読んでみるとよさそうです。
投稿日:2013/11/09
ノンフィクションものを手がけられる事の多いウィンターさんが、絵本作家ビクトリア・ポターが、「ピーターラビット」を生み出すまでを丁寧に描いています。 カバー折り返しにもあるように、まさにこの作品は“新しい伝記絵本”と呼べるものだと思います。 ポター自身の手紙と日記に基づく、彼女の生涯の様々なエピソードに拠るものだそうです。 利発で動物好きで観察眼も鋭く、絵を描くことにも才長けていた少女時代のポター。 語られている文の端々に見え隠れする仕事で忙しかった母への憎悪にも似た不満・娘の画才を伸ばそうと教師をつける教育熱心な父親への冷めた眼差しにも、幼いながら自己確立のできていた人なのだと驚きました。 およそ私の想像していたポターの少女時代とはかけ離れたものでした。 彼女の中の孤独を埋めるようにして飼われた野うさぎとの出会いから、後半の人生までが丁寧に語られています。 大人の方向けだと思います。
投稿日:2011/05/20
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