普通より小さい、普通より大きい、普通より○○...。大人でも子供でも、無意識のうちにいろんなものを『標準ってこのくらい』っていうイメージを持っていますよね。そして、小気味よくその「標準」のイメージをうちやぶってくれるものには、無条件で惹かれるものだと思います。
そして、誰もが惹かれるこの形!本屋さんも図書館も、お買い求めになったお母さんがたをも悩ませるこの長ーい本は、そのすこしくすんだ空色とかわいらしいつきのぼうやのさし絵でみんなを魅了します。
やさしげな女性的イメージで描かれることの多いお月様は、ここではなんだかちょっとおじさんっぽく描かれています。そしてつきのぼうやも、天使のように純粋...というのとはちょっとちがって、なかなかに頭の切れそうなはしっこそうな男の子。
ふわりふわりと月のある天空から、海の底までの旅。きっと読んだ親子みんなが浮遊感につつまれる絵本だと思います。