ちびの仕立屋さんの立身出世物語です。
仕立屋さんが買ったジャムに群がるハエ。
ハエを一度に7匹も殺したことが、ギネス級だと自信を持った仕立屋さん。
周りの勘違いもあって、やることがトントンとうまくいきます。
そしてとうとう王様の娘と国の半分を手に入れてしまいます。
グリムにしては愉快でストレートな成功譚。
グリム作品を見てきた中で、スベン・オットーの絵は初めてですが、単純明快でバタ臭い絵(?)がこの話にピッタリ。
物語の突っ込みどころとしては、王様となった男とお妃となった娘の行く末。
この男が単なる仕立屋だと知った娘は、自分の夫を追放しようとするのですが失敗するのです。
仕立屋は一生王様として過ごしたというのですが、幸せだったのかな?
読み取れば子ども心にも理解しづらい結末でした。
ところで「ちびの仕立屋さん」という主人公設定に、小さな主人公を想像したのですが、ここでは若造と読み替えた方がすんなりするかも知れません。
一寸法師だったら、きっとお妃様も疑心暗鬼にはならなかったでしょうから。