エリック・カールが見た、流れ星の夢を題材にできたお話です。えかきが声に導かれながら、どんどん絵を描いていきます。初めにおほしさま、次におひさま、それから木、それから男と女。このあたりは、さながらアダムとイヴ、天地創造のようです。
えかきは、声に導かれながら絵を描いていくうちに、どんどん年をとってしまいます。まっくらやみのよるまんまるの月を描く頃には、白髪のおじいさんになってしまいました。
最後に星を描くと、えかきは、星と同じ衣を身にまとい、夜空をどこまでも飛んで、旅をしたのでした。絵描きは、天地創造を描き、そこで木がたわわに実をつけ、花が咲きほこり、人々や動物たちが、幸せに暮らしている様を描き、その幸せを垣間見ながら、何を考えたでしょうか。
最後に星と同じ衣を着て、星と一緒に永遠の旅に出る。そう、絵描きは、生命をまっとうして、星になったのでしょう。そんなはかないような、だけど意味のある人生を送った絵描きは、幸せだっただろうか。そんなことを考えてしまうのでした。