オオカミが主人公の絵本ってたくさんあって、
以前「オオカミ」がテーマのブックトークも聞いたことがあります。
「あらしのよるに」シリーズでのオオカミのイメージが強い木村裕一さんですが、
独特の筆致の田島征三さんとのコンビのオオカミはどうでしょうか。
はらぺこオオカミがすんでのところでおいしそうなコブタを取り逃がします。
その悔しさゆえか、行く先々で目の前に獲物となりそうな動物達がいても
知らん顔。
ずっと、あのコブタのことを想像しているんですね。
想像していると、どんどん大きく太っていくコブタ像。
心なしか、それに反比例して、オオカミが腹がすきすぎてやせ細って見えるのは
気のせいでしょうか?
ようやく取り逃がしたコブタに遭遇したのに、その想像力が災いします。
田島さんの絵は迫力があるので、オオカミのキャラクターにぴったりですね。
しかも、オオカミに遭遇した動物たちの慌てぶりなど臨場感たっぷり。
目的が目的なだけに、ラストへの展開がドキドキものでした。
ラストのオオカミの表情に、
オオカミのその後が気になりますね。
スリリングで、遠目が利きそうなので、大勢の読み聞かせにもいいと思います。