こどもが通院・入院する確立はとても高いだけに、親としてこどもに読んであげておくべき1冊だと思いました。知っていれば怖くないことも、日常とは異なる環境、器具、人物ばかりの病院はこどもにとって不安だらけです。でもこの絵本を読んでいると、病院にいってもしっている道具があると、アレ知ってる、と言い、先生にお腹を見せたり、口をあけたりもささっと抵抗無くできるようになりました。
心の準備と訳されるプリパレーションというこの分野は欧米ではすでに一般的となっており、入院前や手術前には専門のスタッフが子供たちのケアに当たりますが、日本ではまだまだ浸透していません。親はもちろん、医療関係者、幼児教育関係者にも読んでもらいたい1冊です。
そして何より、子供はそんな目的などお構いなしに、楽しんで読んでくれます。たくさんの絵とたくさんのお友達が表情豊かに登場するので、知っているものをみつけたり、お友達の感情を想像したり、自分も同じ顔をしてみたり、と最後まで存分に楽しんでくれます。
80年代に書かれた古い絵本ながら、持ち物リストや自分のことなども実際に書き込めるようになっている参加型という点にも、感心しました。
異国情緒あふれるかわいらしい絵です。