大好きなおじいちゃんが使っていた時計。古くて、きんいろで小さな音をたてて動く時計。
男の子はおじいちゃんとよく遊んだ森へその時計をもって出かけます。きれいなちょうちょをみつけて走り出したとき落としてしまいます。
時計を見たことのない森の動物たちは、いろいろ話した結果何かの卵だということになります。卵をほって帰るわけにいかないので、そこを通りかかった男の子に見てくれるよう頼んで動物たちは帰っていきます。
自分のもとに返った時計を大事にそっと持ち男の子は帰ります。
すこしせつなくなるお話ですが、森での出来事はおじいちゃんが用意したサプライズのように思えます。ちょうちょに出会えたことも、動物たちに出会ったことも、時計が壊れずに戻ってきたことも男の子がおじいちゃんを忘れずにいるからおきた出来事かもしれません。
大切なヒトが亡くなっても心の中に、思い出の中にいるよとささやいてくれているような本だと思います。