とんとんむかし、けものやとりが、まだものいうてたころのこと・・・しょうと(ホオジロ)という鳥が、お地蔵様の耳の中に巣をつり、卵を3つ産みましたが、ある日、「どうしてもはたらきにでにゃならんで」と言って(このあたりから、もう可笑しい!)、お地蔵様に巣のお守りを頼んで出かけていきます。そこへ、次々と鬼が現れて・・・。
最初は、「ジオジオのかんむり」を連想させるお話なのですが、怖い顔つきの鬼が出てきても、昔話特有のテンポがおもしろく、お地蔵さんの表情やお人よしの性格もあってか、子どもも怖がるところか、ドキドキしながらも笑ってしまう内容なのです。そして、しょうとたちが知恵をしぼって考えた鬼退治が、本当に愉快!!(さるかに合戦にも似ています。各地方で、似たような昔話がいろいろと残っているんでしょうね。)
娘は、鬼が帰ってくる場面で、一瞬私の後ろに隠れようとしましたが、すぐに次のページで笑い出し、鬼が牛のふんを踏んで、すべってころぶと、「待ってました〜!」とばかりに、喜んでいました。でも、最後に、天井に吊るした臼の縄が切れ、鬼のおなかに落ちてくると、「これで、ことりさん、出てこられるね」と、うれしそうに言った娘・・・そうかあ、鬼が食べちゃった卵が雛になって、鬼の口から出て来れると思ったんだね。子どもって、いつも自分よりも小さいもの、弱いものの味方になって守ってあげようとする純粋な心をもっているんですよね。