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おじいさんの旅」 みんなの声

おじいさんの旅 作・絵:アレン・セイ
出版社:ほるぷ出版 ほるぷ出版の特集ページがあります!
税込価格:\1,760
発行日:2002年11月
ISBN:9784593504169
評価スコア 4.33
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みんなの声 総数 11
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  • 日本生まれの作家のコールデコット賞受賞作

    • ジュンイチさん
    • 40代
    • パパ
    • 東京都
    • 男の子12歳、男の子6歳

    1994年のコールデコット賞受賞作品。
    邦訳は2002年。
    アレン・セイを調べたら驚きました。
    日本生まれの日系アメリカ人作家・イラストレーターで、本名はジェームズ・アレン・コウイチ・モリワキ・セイイ。
    James Allen Koichi Moriwaki Seii
    現在はオレゴン州ポートランド在住なのですが、何と、1939年神奈川県横浜市生まれなのです。
    日系アメリカ人の母(正しくは帰国子女)と、韓国人の父の間に生まれ、8歳の時に両親が離婚し父親にひきとられています。
    12歳の時に青山学院へ通うために母方の祖母と東京都に住むものの、すぐに祖母と同意の上で別れて暮らしたのですが、一人暮らしを始めた時、漫画家野呂新平の弟子となったのです。

    そんなルーツを持つセイが描いたのは、祖父の物語。
    世界を見てみたいと、セイのおじいさんは若くして日本からアメリカに渡ります。
    三週間の船旅でしたが、その頃、日本から外国へ行くことは、非常に珍しいことだったはず。
    広大な土地、果てしない畑、工場だらけの街、高い建物だけの大都会、大自然、多様な人種との出会い、接するもの全てが新鮮で魅力溢れるものだったのでしょう。
    そして、カリフォルニアで家族を持ち、おじいさんにとって、アメリカも故郷になっていくのです。
    しかし、日本のことが忘れがたく家族で日本に帰国するものの、年月が流れると今度はアメリカへの郷愁が沸いてくる、そんな想いを描いた作品です。

    この作品がアメリカで受け入れられたのは、遠き故郷への想いを描いたからでしょう。
    移民の多いアメリカだからこそ、多くの共感を得たのだと思います。

    物語は、最後にセイがアメリカに行くところで終わります。
    ルーツを巡ることになるのですが、そんな郷愁を感じずにいられない心に沁みいる作品です。
    描かれた絵は、どれも、写真のような美しいものです。
    家族の肖像、歴史、自分の生い立ちを辿る絵に、惹かれること間違いありません。
    日本生まれの作家が、コールデコット賞を受賞したというのは非常に嬉しいことであり、もっと多くの人に知って読んで欲しい作品です。

    投稿日:2011/03/26

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  • アルバムのような作品です。

    • てんぐざるさん
    • 40代
    • ママ
    • 埼玉県
    • 女の子12歳、女の子7歳

    初めてこの絵本を読んだ時、作者は一体どんな方なのだろうかと、とても興味がわきました。
    何故って、この絵本は最初アメリカで出版されているのです!(コルデコット賞を受賞しています)
    語りである「私」のおじいさんは日本人なのに!作者の名前はまるで日本人っぽくない。どうして〜?

    裏表紙の作者紹介を読んで、やっと合点が行きました。作者は生粋の間違いない日本人だけれど、今は渡米していて、主人公のおじいさんと同じように、海外の暮らしが長いことがわかりました。
    師匠が漫画家の野呂新平さんだということも。

    このお話は、なまじ身近な人が主人公であるだけに、一つの作品としてまとめるのに、削ぎ落とした部分がたくさんあったかと思います。最終的に、誰が読んでも印象的でわかりやすいアルバムのような絵本に仕上がっているのは、作者の想いと技量のなさる業だと思いました。
    絵も、文章も、余計なものがない素晴らしい作品です。
    感性の素晴らしさに感服しました。

    投稿日:2007/11/01

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  • 移住者の半生

    一人の移住者の半生を、見させていただいた気がします。
    戦前の日本からアメリカへと渡ることは、現在とは比べ物にならないくらいの苦労・驚きがあったことでしょう。
    淡々と書かれた文章、家族のアルバムをめくっているような絵。
    静かな感動がありました。

    投稿日:2012/10/21

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  • おじいさんの人生

    日常生活に疲れた時にふと旅に出てみたくなる時がある。そして行って戻って来てみるとやっぱりわが家が一番と感じることも。

    そんな旅に出かけたいという思いは今はないけれど、日常を変えたくなることはあるのかも。

    高学年への読み聞かせリストで見つけた本です。

    アレン・セイという外国名の作者なのに日本人の話ということが意外でしたが、絵本ナビのレビューを読んでいろんなことがわかってきました。

    絵本は長い内容をぎゅっと凝縮して見せることがあります。この短い話なの中に、おじいさんの人生が詰まっているのです。

    自分が目指したものは?自分がたどってきた道は?と長い人生の道のりを振り返る時期が誰にもありそうです。

    そんな時に私は一体何を思うんでしょう。短い話ですが、見る人によっていろんなことが想起されそうです。

    大人の方がより深く思うかもしれません。

    投稿日:2011/12/16

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  • 絶賛するほどでは?

    アメリカにわたっていたおじいさんの思い出と、自分もアメリカにとうとうわたる主人公のお話。全体を通して、家族史のような感じ。戦争とかレトロな内容も含まれています。主人公の男性がアメリカにわたったところで終わりなので、大人としては物足りません。展開とオチが欲しかった。

    他のレビューを見ましたが、みんなが絶賛するほどではないような、、、。悪くはないけど、普通くらいでしょうか。全くぐっとは来ませんでした。読む前にまずは図書館などで読んでから買うようすすめます。

    絵も子供向きではないので、残念ながらうちの娘は反応しなかったです。

    投稿日:2011/09/12

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  • 素晴らしいルーツへの旅

    『はるかな湖』で東洋的な感覚の絵本を出したアレン・セイ。
    気になる作家でしたが、この絵本でセイのルーツを発見しました。
    戦前に日本で生まれ、アメリカに渡ったおじいさん。
    アメリカと日本を行き来した中で、生まれたお母さん。
    セイも横浜で生まれ、16年間を日本で過ごしたそうです。
    それだけに、日本への思いが強いのでしょうか。
    それにしても、極めて個人的な内容の本でありながら、とても素晴らしい本です。
    絵本ではなく、絵画本、肖像画本とでもいった趣の絵から構成された、おじいさんの歴史。
    そして、今の自分につながる話は、手記のようであり、日本の移民史であり、近代史としての日米関係であり…。
    幅も奥も深いのです。
    まずは、大人として読みたい絵本です。

    投稿日:2010/05/28

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  • 旅先では異邦人

    • おるがんさん
    • 40代
    • ママ
    • 高知県
    • 女の子、男の子

    作者は日本で生まれ、16歳でアメリカに移住するまで、日本を転々としたそうです。
    そのためか、訳者ではなく作者が日本語で書いてます。

    絵も、日本の雰囲気があり日本人らしく描かれています。
    カルフォルニアと日本を行ったり来たりして、異国のにおいのするおじいさんの雰囲気もよく出ています。

    日本人でもアメリカ人でも、地球人なんだなと感じました。

    投稿日:2007/08/29

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  • 郷愁の念を揺さぶる絵本

    • 金のりんごさん
    • 40代
    • ママ
    • 神奈川県
    • 女の子12歳、男の子9歳、男の子7歳

    図書館で、表紙に惹かれて手に取りました。
    借りられる本の冊数がギリギリだったのですが、この生活の1コマ1コマをスナップ写真にして並べたような絵に惹きつけられてしまい、先に手にしていた本を戻して、この本を借りてきました。
    日本とアメリカ、二つの国で暮らし、二つの国で幸せを築き、二つの国を愛したおじいさんのお話です。
    出来事や感じたことを淡々と述べているのですが、その一つ一つを飾る絵がとても美しく、確かにここには生活があったと感じられます。
    アメリカに行ったことがなくても、きれいな風景の故郷を持っていなくても、“郷愁”という気持ちは、誰もが共通に持っているものではないでしょうか。
    この本は、その“郷愁”の念を強く揺さぶる絵本です。
    説明文にある、
         ぼくたちは何処にいようと、ほかの何処かが恋しい、
         誰といようと、ほかの誰かが恋しい。
    という一文が、深く心に刺さりました。

    投稿日:2007/02/26

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  • 二つの国がどちらも恋しい

    • レイラさん
    • 40代
    • ママ
    • 兵庫県
    • 男の子13歳、男の子10歳

    日本生まれで16歳まで日本で育った作者の、
    初の日本語版。
    日本人移民の心を淡々と描いた作品。
    戦前、世界を見るために、若者だった祖父は
    アメリカ・サンフランシスコに移住します。
    娘が生まれ、子育ても落ち着いた頃、
    故郷が恋しくなり、田舎の故郷に戻ります。
    でもそのうちサンフランシスコも恋しくなってくるのです。
    淡々としたおはなしです。
    1ページ1ページがスナップ写真のような画面です。
    孫との2ショットなんて、その微妙な表情が素敵です。
    まるで思い出のアルバムのようです。
    二つの土地にそれぞれある思い出に、祖父の心は揺れ動きます。
    移民の方に共感された、とあります。
    いいえ、国内であっても、住んだ土地の思い出は
    心に残るものです。
    「すべての人々の物語になった」という評に納得です。

    投稿日:2006/09/15

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  • 故郷に思いをはせる

    • 花ぶらんこさん
    • 30代
    • ママ
    • その他
    • 男の子11歳、女の子8歳

    これは戦前、世界を見てみようと若者が
    3週間かけて船でアメリカへ向かった話から始まります。
    あちらこちらと旅をし、やがて家族を持つようになり
    日本への思いをはせます。
    念願の日本で住むことになりますが
    アメリカの地もまた忘れることはできませんでした。

    私も良く日本へ帰りたくなります。
    でも日本で住むことになると
    主人公と同じで逆にカナダが恋しくなるんでしょうね、
    きっと。
    おじいさんがじっと窓の外を眺めている横顔が
    とても印象的でした。まるで将来の自分自身を見ているようでした。
    記念写真を見ているような美しい景色と
    人物のイラストがまた素晴らしいです。

    投稿日:2006/05/31

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