「さくらほいくえんには こわいものが ふたつあります。
ひとつは おしいれで もうひとつは ねずみばあさんです。」
この名文で始まるお話は、
「悪い事をしてはいけません。」「ゴメンネを言いましょう。」
というお説教がテーマではない。
子ども達が《冒険》を通して友達とかかわりながら、
生き生きと成長していく姿が描かれている。
子ども達だけではなくて、保育者の成長もうかがえる。
暗くて狭いおしいれは、無限の空想が広がり、
子どもにとっては、怖いけれど楽しい空間だ。
身近な保育園のおしいれで、こんな世界があるなんて・・・。
目を輝かせる子ども達。
ぐんぐんお話の世界に引き込まれていく。
さとしやあきらと一緒に冒険しているのだろう。
読み聞かせると、たっぷり30分はかかるけれど、
子ども達の集中力が切れる事がない・・・驚異の作品だ。
ファンタジーとして魅力的だし、
保育者のあり方を考える手掛かりも見つかるだろう。