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スピリットベアにふれた島」 みんなの声

スピリットベアにふれた島 作:ベン・マイケルセン
訳:原田 勝
装画:ヒロミチイト
出版社:鈴木出版 鈴木出版の特集ページがあります!
税込価格:\1,760
発行日:2010年09月
ISBN:9784790232346
評価スコア 4
評価ランキング 28,742
みんなの声 総数 3
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  • 本当の意味での更生とは?

    この作品を読み終えてすぐに同じ作者の『ピーティ』を読み始めました。

    同じ作者なのに、訳者が違うせいなのか?題材があまりに違いすぎるためなのか?

    同じ作者の作品とはどうも思えなくてその気持ちがどうしたなのか?を私自身が探るために書いています。

    読まれたことのない方にはわかににくい表現だと思いますが、この『スピリットベアにふれた島』が暗く閉ざされた冬の印象、

    『ピーティ』の方は障害を持った育ちでありながら、春の日差しの暖かさを感じるのでするのです。

    『スピリットペアにふれた島』は、暴行事件を起こした15歳のコール少年が、サークル・ジャステスという手続きよって、無人島で生活を始めたところから書いています。

    本当の意味での更生とは?をまず考えました。

    裁きで、被害者あるいは加害者のどちらが悪いということを決定して、刑罰を決める従来の方法では犯罪の再発率は高いでしょう。

    人が生まれ変わるには、一度死ぬような体験をしなくてはならないのではないか?

    読みながらそんなことも思いました。

    コール少年がスピリットペアに戦いを挑む場面などは、とても痛々しくて、どうか早くこの少年を誰かしっかりした大人が助けてほしいと願わずにはいられませんでした。

    コールに教えを説くエドウィンとガーヴィの存在もまたいいのです。

    『ピーティ』の方は、昨年読まれた方は、昨年のベスト1に上げられていて、

    『スピリットペアにふれた島』の方を今年読まれた方は昨年読んだ本のおすすめリストに入れたかったとの声を聞きました。

    どちらも長いけれど、ぐいぐい引きつけられる作品です。

    骨太で重厚、しっかりした構成力と文章力を感じます。

    さて、また『スピリット…』の方に戻りますが、

    怒りの感情は捨てられないのか?その気持ち共存して生きていくには?
    赦しとは?赦すとは?

    といろいろな角度から自分自身に問いかけながら読み進めていった気がしています。

    気になる言葉が出てくると、私は付箋を貼る癖があるのですが、この本も付箋だらけとなりました。

    海外YAを読んでいくのが今年の目標ですが、その最初からこのような作品を読んで、

    海外YAは読み始めたらきっと奥が深いだろうなと思いました。

    ベン・マイケルセン、他にも作品があれば続けて読んでいきたい作家となりました。



    投稿日:2011/01/28

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  • 真の目覚め

    現代の社会問題に関する題材の選び方・及びその扱い方が秀逸であると思う。
    前作「ピーティ」では、「障害者福祉」を一人の少年の孤独と合わせて描き、その話題をぐっと身近なものとすることに成功させていた。
    本作で要となるのは、「サークル・ジャスティス」という制度とその制度の適用による少年の更生の過程を説得力をもって語ることができるか、ということだろう。

    サークル・ジャスティス以外に見どころとなるのが、筆者のリアルで圧倒的な迫力を持つ筆致。

    主人公コールが、スピリットベアに無謀な戦いを挑み、叩きのめされ生死の境目を彷徨う場面は、まさに目が離せない。物語の中盤であるにも関わらず、まるでクライマックスのようでもある。
    しかし、だからこそのコールのその後の変化に説得力を持つ。


    主人公のコール・マシューズは、同級生に対する傷害罪で裁判にかけられる。
    コールは、家庭に恵まれず、心に強い怒りを抱え、それは反社会的な行為として外に向かう。
    そんな彼に力を貸すのが、第三者である少年保護観察官であるガーヴィーとインディアンの古老エドウィンなのである。ガーヴィも、やはり、間違いを犯した過去があるらしいことをうかがわせる。
    ガーヴィーの尽力により、コールは、刑務所で罰せられるのではなく、もう一度孤島でやり直すチャンスを与えられる。自分でしたことが全て自分に返ってくる自然の中、コールは、理不尽な怒りを父性の象徴であるかのようなスピリットベアに向け、叩きのめされる。
    奇跡的な回復後、コールには、ガーヴィーやエドウィンの教えを受け入れる準備ができていた。

    焚き火の周りでの踊り、水浴、石運び。

    数々のエピソードの中で、心に残ったのは、枝の左端を怒りに、右側を幸せに見立て、怒りを折り取る話だ。折っても折っても左端はなくならない、全てを捨ててしまえば幸せをもなくすことになる。怒りは決してなくならない。全てはどう見るかにかかっている。

    激しい心の葛藤、苛酷な体験を乗り越え、厳しい自然の中での暮らしによって、コールは、真の目覚めに導かれていく。

    家族について、自己と向き合うことについて、自分の感情との付き合い方について、様々なことについて読む側に投げかけてくる、やはり傑作なのでしょう。

    投稿日:2011/11/30

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  • 考えさせられました

    今年の課題図書ということで、
    毎年どれか一冊は読んでいるので、
    今年はこれにしました。
    夏っぽい表紙だったので、
    なんかアウトドアの話しかなと気軽に読んだら、
    ぜんぜん違いました。
    少年犯罪を取り扱った内容で、
    アメリカのお話なのですが
    ものすごくふか〜い内容でした。
    結構こわい(というか気持ち悪い)描写もあるのですが
    次がどうなるのか気になってしまって
    なかなか中断できない内容です。
    課題図書になるべくしてなったと思います。
    中学生にはぜひ読んでもらいたいです。
    そして、いろいろ考えてもらいたいです。

    投稿日:2011/06/21

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