ナビのレビューを見て、読んでみたいと思っていた本です。
あべ弘士さんの鮮やかな絵と壮大な風景に、「おっ、これはいいぞ」と思いながら読み進めました。
ところが、途中から、聞いている子どもも読んでいる私も「?」と思い始めました。
自然の摂理を説くのは、とても大事だし、一本筋も通っているとは思うのですが、“病気が蔓延しないためにライオンは、弱い動物を食べてあげている。だから無罪”という結論がどうもしっくりとこないのです。
それはライオンの仕事の意義の一つであって、全てではないのですから。
娘も、「ヌーは殺されて良かったのかなぁ? なんだかねぇ・・・」とすっきりしない顔をしていました。
ライオンは他の動物を食べるけれど、ライオンもまたハンターの銃口に怯えるのだというところまで書いてあると、強者だけでなく弱者でもあるライオンの立場がわかって、良かったと思うのです。